今回は、私の趣味である「アユ釣り」をテーマに、恩師である数学者の秋山仁先生の言葉に沿ってお話ししたいと思います。ここで述べる「アユ釣り」は、おとりアユを使ってアユの縄張り意識を利用し、野アユを掛ける釣魚法(友釣り)です。
先を読むー アユ釣りは、河原や川中を流れに沿い、あるいは逆らって歩き、また、腰までの水の中で流れに負けないように立ち止まり、長さ10メートル近くの竿を持ち続けるなど、結構体力が必要です。疲労により集中力が鈍り、滑って転倒、あるいは捻挫(ねんざ)の危険もあります。そこで、アユシーズンが終了した9月末から、私は犬の散歩を兼ねて、朝のウオーキングを始めます。雪が降り、路面が悪くなれば、室内の自転車こぎ、雪が消えればウオーキングの再開、夏に備えます。(転ばぬ先の脚力作り)
誤りを正すー 竿の長さが一般的には9・5メートルあるアユ釣りの仕掛けは、おとりアユが泳ぐのに負担がかからないようにできるだけ細い糸を使って作ります。細いということは、石などの摩耗に弱く、1回使った仕掛けは、その日のうちによく調べ、異常があれば補修します。これを怠ると、アユが掛かっても取り込むときにそこから切れ、おとりアユと掛かったアユを両方失うことになります。(現状の把握と問題点の改善)
潮時を知るー アユ釣りは、盛夏の川の中、水中とはいえ体にとっては厳しい環境です。私は午前7時ごろから2〜3時間、余裕があれば夕方数時間と心がけ、気温が高く、紫外線の強い午前11時から午後3時ごろは釣りを避けています。強い紫外線は、目、皮膚によくありません。また、川は、気象条件でその顔を変化させます。特に、増水時、角館付近ではあまりないことですが、流芯(川の中で一番流れが早いところ)へ踏み出す一歩が生死を分けることもあります。自分の力量と体力を知り、危険からの回避を心がけています。(君子危うきに近寄らず)
アユ釣りを楽しむには、ちょっとした努力が必要ですが、『楽は苦の種、苦は楽の種』。同様に、人間は本来、努力、工夫と養生で健康に生活できるものです。そこで、年齢とともに体力の衰えを予測し、適度な運動によりその衰える速さを緩和。年に1回の健康診断を必ず受け、悪いところがあれば医者にかかって相談し、早め早めの対処。飲酒はほどほどに、禁煙して、規則正しい生活で体への無理な負担を回避する。これが、健康の達人の道理と考えますが、皆さんはいかがでしょうか。
(平野 敏一 15.03.18.)