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やさしい病気の話

今回は「~足腰の痛みを解消するための5つのポイント~ ウオーキング・トレッキングのすすめ」と題して橋本正幸先生が話題を提供します。

人間が二足歩行をするようになってから人の立ち姿勢は背骨と下肢に常に負担をかけてきました。加齢の結果生ずる「足腰の痛み」は人の二足歩行による宿命といえるでしょう。ウオーキングやトレッキングで生ずる痛みのメカニズムや原因を知り、それを予防できればこれに勝ることはありません。

1 まず、足腰に負担をかけない歩き方です。姿勢は両肩の力を抜き、胸を軽くそらし、お腹とお尻を引き締め、顎を引き気味にして前方を見ます。歩行の踏み出しは、踵から接地し、土踏まずの外側から足の指に体重を移動し、全ての足の指に体重が乗ったら後方に蹴る要領で歩きます。

2 脊せきちゅうきん柱筋のバランスで痛みを改善しましょう。人間の背骨には身体の動きを支える重心点が2カ所あり、重心点がずれると脊柱バランスが崩れ、痛みが生じ転倒しやすくなります。 人間の脊柱は同じ姿勢や反復動作の継続で自然に変形すること(姿勢性側弯症や円えんぱい背など)が多いのです。脊柱の2つの重心点は胸椎の中心(第6胸椎)と骨盤(いわゆる腰骨)の中心点と言われています。

3 重心点のずれを確認しましょう。肩や腰の高さが左右で異なると重心点がずれ、肩こりや背痛、腰痛が出ます。この重心点を正す方法は、昔の和服姿でよく見かけた「たすき掛け」の原理です。たすき掛けは、両方の肩甲骨を脊柱側にやや寄せ、自然に胸を張る姿勢となるため、重心点が矯正されると言われています。

4 骨盤の歪みも矯正しましょう。骨盤の歪みは、その中央に位置する「仙骨」という逆三角形の骨が、労働や姿勢で前後に過度に負担を受けると症状が表れます。仙骨は背骨全体を支える土台で、その傾きの矯正で骨盤の歪みも正されます。その方法は誰でも簡単にできます。①まず、布団に仰向けに寝て両膝を90度に立てます。②その位置で骨盤(お尻)をできるだけ上げて、③その高さのままで10〜15秒間静止し、最後に上げた腰の力を一気に抜いて、お尻をトンと布団に落とし、1分間休みます。4〜5回を1クールとし、朝夕2回行って骨盤の歪みを矯正しましょう。

5 一般にウォーキングでは本人の知らぬ間に足腰を痛めることが多く、その主な原因は歩く姿勢の不安定性にあると言われています。トレッキングポールを2本使って歩けばバランスも取りやすく、足腰への負担を軽減できます。

歩行は生活習慣病やダイエット、気分転換に有効な精神衛生管理法のひとつです。最後に私が日頃行っている足腰の痛みを軽減する方法をご紹介します。それは、椅子に座り、片足首をひざの上に乗せ、反対側の手で40〜50回ゆっくりやさしく回すというものです。本当に疲れがとれます。ぜひお試しください

(橋本 正幸 14.3.26.)