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やさしい病気の話

今回は「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)について~腰を大事にして元気に歩こう~」と題して後藤伸一先生が話題を提供します。

高齢化社会の進展に伴い、腰部脊柱管狭窄症が急速に増えてきています。最近は、新聞やテレビでも取り上げられることが多くなりました。果たして、腰部脊柱管狭窄症とはどんな病気でしょうか?

腰の背骨は腰椎と呼ばれますが、腰椎は椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨と椎間板(ついかんばん)という軟骨が積み木のように5つ重なってできています。その中に脊柱管(せきちゅうかん)という隙間があり、脳から続いている直径2~3センチの大事な神経が通っています。
残念ですが、人間は50歳前後から、さまざまな所に加齢の変化が起きてきます。腰椎は加齢の変化が起きやすい部位の一つです。
加齢の変化で腰椎の骨がいびつになると神経が通っている脊柱管が狭くなり、中の神経が圧迫され、さまざまな障害が起きてきます。
この狭くなることを狭窄(きょうさく)と呼びます。腰椎の脊柱管が狭窄し、中の神経が圧迫されて様々な症状を起こすので、腰部脊柱管狭窄症という病名がついています。
神経の圧迫の程度はレントゲン写真だけではわからず、MRI(磁場と電波を用いた検査)が必要になります。

腰部脊柱管を通る神経が圧迫されて障害が起きると、お尻から足にかけて痛みやしびれが生じます。障害がひどい場合は、足の筋肉の力が弱くなったり、尿や便がうまく出せなくなることもあります。
歩き出してからしばらくした後、腰や太ももからふくらはぎにかけてしびれたり、痛んだりして歩けなくなり、前かがみの姿勢でしばらく休むとまた歩けるようになったというような経験はありませんか。この症状は間欠性跛行(かんけつせいはこう)といって、腰部脊柱管狭窄症に特徴的な症状の一つです。

画像:腰部脊柱管狭窄症

治療はまず、薬物療法やブロック注射、理学療法などの保存療法を行います。
保存療法で効果がない場合、腰部脊柱管狭窄症の原因は神経の圧迫なので、圧迫を取り除く手術が必要になります。手術が必要にも関わらず先延ばししていると、神経がどんどん傷んでしまい、手術をしても神経の働きが回復しにくくなります。
仙北組合総合病院・整形外科でも腰部脊柱管狭窄症の手術を行っています。手術のためには約3週間の入院期間が必要です。
腰部脊柱管狭窄症の症状に心当たりがある方は整形外科を受診してみてください。

(後藤 伸一 13.02.14.)