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やさしい病気の話

今回は「子供の事故」と題して吉村 総一先生が話題を提供します。

子供の事故

子供(0~14歳)の死亡原因のトップは不慮の事故です。先進国の中で日本は乳幼児の事故による死亡率が高いことがわかっています。軽い事故まで含めるとすべての子供が事故にあっているといっても過言ではないでしょう。事故は運が悪いから起こるのでなく、誰にでも起こり得るものだと考えないといけません。事故は予防が大切です。子供は日々成長しています。昨日できなかったことが今日できることもあります。だから予防対策も日々進化さなければいけません。想像力を働かせて子供がやりそうなことを先回りして考えて防ぐことが大事です。また普段気を付けていても、実家に里帰りしたときやよその家に行ったときが盲点なので要注意です。0~4歳までを対象にして、事故原因の多いものについてその予防対策についてお話します。

転倒・転落

ベビーベッドの柵は必ず上げる。階段、玄関には柵をつける。ベランダの柵のそばには踏み台になるものは置かない。自転車で二人乗りの場合、子供を椅子に座らせたまま自転車から決して離れてはいけない。クーハンは使わないでだっこする方がいい。

やけど

電気ポット、炊飯機の湯気の出口、ストーブ、ストーブの上のやかん、お茶の入った湯飲み、ガスレンジの鍋、アイロン、火のついたたばこ、蚊取り線香・マットなど思い浮かぶ熱源はすべて柵をして近づけないようにするか、床から1m以上の手の届かない所に置く。ホットカーペット、湯タンポの低温やけどにも注意。花火は高温で深いやけどになるので要注意。テーブルクロスは厳禁。コンセントにはカバー。

外傷

テーブル、家具などの鋭い角にはカバー。ドアのちょうつがいにカバー。刃物は使ったら必ず手の届かない所に収納。車のドアに注意。あんよ、つかまり立ち時は必ず注意。

誤嚥

赤ちゃんは何でも口に入れます。家の中の小物(直径39mm、奥行き51mmの筒に入るものはすべて)をチェックして飲み込む危険がありそうなものはすべて床から1m以上の所に置く。誤嚥原因の一番はたばこ、以下薬、おもちゃ、コイン、化粧品、灯油、ピン、ボタン電池、クレヨン、ティッシュなどなど。たばこが溶け出した茶色い液は危険。ピーナッツ類は食べさせない。ハンドバッグは帰宅したらすぐに片づける。

水の事故

入浴後は風呂のお湯を抜く。洗濯機のそばに踏み台になるものを置かない。家の廻りの用水路、池は必ずチェックしておく。

窒息

首に巻き付くようなひも類や口を覆うビニール袋、ラップ類はすぐしまってしまう。おしゃぶりのひもは首に巻かない。フワフワの布団や枕はだめ。

交通事故

不慮の事故の死亡原因の中で最多。事故は自宅から50m以内、午後2-6時に集中。道を歩くときは子供の手を離さず、車道から遠い所を歩かせる。車に乗せるときは必ず後部座席のチャイルドシートに座らせる。

(吉村 総一)