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やさしい病気の話

「ウィンタースポーツ(特にスノーボード)における外傷」

2001.12.06 山下 栄敏先生

ウィンタースポーツと云えば少し前まではスキーとスケートが代表的なものでしたが、近年スノーボードが急激に普及しました。それに伴ってウインタースポーツにおける外傷の特徴も多様になりここ4年程前よりスキー場での外傷はスノーボード外傷が全体の6割を占める様になりました。ここではスノーボード外傷をスキー外傷と比較しながら注意点なども述べてみます。

スキー外傷

雪面に固定されたスキーを支点として捻りによる受傷が多い。部位は下肢が全体の70%を占め、その中でも膝の外傷が最も多い。

スノーボード外傷

直達衝撃による受傷が多い。ストックを使用しないことや両足が固定されることにより転倒時に主に上半身で衝撃を受けるため頭頚部、顔面、肩、上腕、肘前腕などの外傷が多い。

頭部を強打することにより急性硬膜下血腫や脳挫傷を来たすことがスキーに比べ明らかに多い傾向がみられます。最悪の場合は死亡することもあり、ヘルメットやプロテクターを使用することや、自分の技術以上の滑りをしないことを注意してほしいものです。
又、スノーボード外傷に特徴的なものとして肘の骨折があります。
これは逆エッジで転倒した場合、雪面についた手に体重が乗り肘に負担がかかり起こるものです。
もう一つ足の外側の骨折(第5中足骨々折)があります。これはソフトブーツを使用し転倒した際、ビンディングで固定された部位に大きな力が加わって生じると考えられます。

以上、スノーボード外傷について簡単に述べましたが、スノーボードがスキーとは異なる特殊な滑走をすることを理解し安全な転倒方法を習得し滑りを楽しんで下さい。

(山下 栄敏)